2015年01月26日
アルキメデスは手を汚さない
「アルキメデスは手を汚さない」
1973年、乱歩賞受賞作品です。

当時、深夜放送「オールナイトニッポン」でこのCMが流れてました。
推理小説が好きで、この本というかこの人の小説は繰り返して読んだ記憶があります。
プロローグ、エピローグという言葉を知ったのも氏の小説から。
1970年代の時代背景を知っていないとこの小説の良さは分からないかな。
大人びた高校生、子供じみた正義感の高校生、当時の言葉でいう少し飛んだ高校生たち。
ピカレスク小説。
不良とは違う、どこかかっこいい、小気味よい少年たちの話。
ネット検索をかけてみると
「この小説との出会いが、本嫌いだったバカ高校生の運命を変えた」
東野圭吾
東野圭吾氏が作家になるきっかけになった小説らしいですね。
あらすじです。(ネタバレしないようにしますね)
少女Aの葬式から物語が始まります。
父親は「盲腸手術の失敗で死んだ」というあいさつをしますが、少し空気が動きます。
「本当にそうなのか…」
読経が終わり出棺しますが、その時ある高校生が口ずさみます。
「あの~ひと~は、逝って逝ってしまった~」
「よこはまたそがれ」のフレーズ。
どんな崇高な読経よりもこちらの方が送るにふさわしいと彼らは思っています。
少女Aの父親は工務店の社長。
誰がかわいい娘を妊娠させたのか? そいつが娘を殺したようなものだと。
犯人を捜そうと娘のクラスメイトたちを集める父親。
しかし、その意図を見透かしている同級生。
そんな中で出てきたのが、彼の会社に対する批判。
彼がマンションを立てたことによって、少年Aの家には陽が射さなくなり、おばあさんが「暗い、暗い」といいながら亡くなったと。
そんな時もうひとつの事件が…。
少年Bが少年Aの弁当を食べて倒れた。
その弁当には毒が。
なぜ少年Bが少年Aの弁当を食べたかと言うと、そのクラスでは弁当の「せり」(今で言うオークション)がされています。
仲介する生徒がいて、弁当を売買し、その手数料を取ります。
この少年Cは株の売買をしています。少年Aは、弁当がいらなくなり、売りに出したというわけですね。
一体誰が毒を入れたのか? なんのために?
少女Aが薄れゆく意識の中でつぶやいた言葉「アルキメデス…」
「アルキメデス」とは一体なんのことか?
少女Aの死。
弁当に入っていた毒。
次に少年Bの姉の交際相手の死体が発見されます。
はたしてこれらの事件に繋がりはあるのか? 繋がりがあるとしたら、一体どういう点で?
犯人は?
妊娠させた相手は?
僕は一気に読んだ記憶がよみがえります。
アルキメデスの意味、最後でわかりますが、その当時の時代背景を考えると納得がいきますね。
その当時70年安保が終わって、高校生たちの目標もなく、日本の高度成長期終盤、「シラケ世代」という言葉が出始めた時期でもあります。
氏も書いている、70年代を前にした学生は、体制の壁を壊そうとした人、ここに書かれている学生はその壁の高さを知った者たち。
トリックとかはその当時は斬新ですが、発表から40年が経過しているのでそれは考慮に入れるべきですね。
二転三転する内容、古い刑事と若い刑事の考え、高校生の幼さと大人びた雰囲気。
少年Bが少年Aの弁当を食べるべき必然性!
女子高校生のジェラシーなど。
面白く非常に読みやすい内容です。
この後、この作者「小峰元」氏は
ピタゴラス豆畑に死す
ソクラテス最後の弁明
パスカルの鼻は長かった
ディオゲネスは午前3時に笑う
イソップの首に鈴をつけろ
などを立て続けに発表します。
またおいおい紹介したいと思います。
1973年、乱歩賞受賞作品です。

当時、深夜放送「オールナイトニッポン」でこのCMが流れてました。
推理小説が好きで、この本というかこの人の小説は繰り返して読んだ記憶があります。
プロローグ、エピローグという言葉を知ったのも氏の小説から。
1970年代の時代背景を知っていないとこの小説の良さは分からないかな。
大人びた高校生、子供じみた正義感の高校生、当時の言葉でいう少し飛んだ高校生たち。
ピカレスク小説。
不良とは違う、どこかかっこいい、小気味よい少年たちの話。
ネット検索をかけてみると
「この小説との出会いが、本嫌いだったバカ高校生の運命を変えた」
東野圭吾
東野圭吾氏が作家になるきっかけになった小説らしいですね。
あらすじです。(ネタバレしないようにしますね)
少女Aの葬式から物語が始まります。
父親は「盲腸手術の失敗で死んだ」というあいさつをしますが、少し空気が動きます。
「本当にそうなのか…」
読経が終わり出棺しますが、その時ある高校生が口ずさみます。
「あの~ひと~は、逝って逝ってしまった~」
「よこはまたそがれ」のフレーズ。
どんな崇高な読経よりもこちらの方が送るにふさわしいと彼らは思っています。
少女Aの父親は工務店の社長。
誰がかわいい娘を妊娠させたのか? そいつが娘を殺したようなものだと。
犯人を捜そうと娘のクラスメイトたちを集める父親。
しかし、その意図を見透かしている同級生。
そんな中で出てきたのが、彼の会社に対する批判。
彼がマンションを立てたことによって、少年Aの家には陽が射さなくなり、おばあさんが「暗い、暗い」といいながら亡くなったと。
そんな時もうひとつの事件が…。
少年Bが少年Aの弁当を食べて倒れた。
その弁当には毒が。
なぜ少年Bが少年Aの弁当を食べたかと言うと、そのクラスでは弁当の「せり」(今で言うオークション)がされています。
仲介する生徒がいて、弁当を売買し、その手数料を取ります。
この少年Cは株の売買をしています。少年Aは、弁当がいらなくなり、売りに出したというわけですね。
一体誰が毒を入れたのか? なんのために?
少女Aが薄れゆく意識の中でつぶやいた言葉「アルキメデス…」
「アルキメデス」とは一体なんのことか?
少女Aの死。
弁当に入っていた毒。
次に少年Bの姉の交際相手の死体が発見されます。
はたしてこれらの事件に繋がりはあるのか? 繋がりがあるとしたら、一体どういう点で?
犯人は?
妊娠させた相手は?
僕は一気に読んだ記憶がよみがえります。
アルキメデスの意味、最後でわかりますが、その当時の時代背景を考えると納得がいきますね。
その当時70年安保が終わって、高校生たちの目標もなく、日本の高度成長期終盤、「シラケ世代」という言葉が出始めた時期でもあります。
氏も書いている、70年代を前にした学生は、体制の壁を壊そうとした人、ここに書かれている学生はその壁の高さを知った者たち。
トリックとかはその当時は斬新ですが、発表から40年が経過しているのでそれは考慮に入れるべきですね。
二転三転する内容、古い刑事と若い刑事の考え、高校生の幼さと大人びた雰囲気。
少年Bが少年Aの弁当を食べるべき必然性!
女子高校生のジェラシーなど。
面白く非常に読みやすい内容です。
この後、この作者「小峰元」氏は
ピタゴラス豆畑に死す
ソクラテス最後の弁明
パスカルの鼻は長かった
ディオゲネスは午前3時に笑う
イソップの首に鈴をつけろ
などを立て続けに発表します。
またおいおい紹介したいと思います。
Posted by どろなわ at 19:49│Comments(1)
│小説
この記事へのコメント
文庫版の111ページで幾代が「あんなことを…」と言っていましたが、どういうことですか?
また、9ページで「勤務中に、はよかった」と書いていますが、何がよかったのですか?
わかる範囲でお願いします。
また、9ページで「勤務中に、はよかった」と書いていますが、何がよかったのですか?
わかる範囲でお願いします。
Posted by takisubaru at 2021年12月27日 16:20